岩瀬氏のレポートで振り返る2013-2014シーズン第4弾!「狙うバッケンレコード- プラニツァ団体戦」です。
団体戦の楽しみ方を観衆は知っていた。
レジェンド葛西選手の飛ぶときともなれば、それこそワクワク感に包まれるのが見て取れた、この最終戦の地プラニァはそんなジャンプの聖地でもあった。
来場するファンの人達、みんなの夢を乗せて飛んでいる。ものすごく大量のビールと、ちょっとあやしそうな屋台の焼き肉とともに…。
「そりゃ、以前の台のバッケンレコードホルダーですから、狙いますとも」
と元気よくサッツを飛び出す。バンと鋭い着地をみせて139m。それは、カサイ流の素晴らしいアタックだった。その右膝や腰が、ひどく痛みだそうが、狙う。
ここに葛西選手ならではのロマンがある。
それに欧州全土の観衆が呼応する。
だって41歳の彼の言動が、さくりと心の琴線に触れてくるからだ。
日本チームは、伊東大貴(雪印メグミルク)と竹内択(北野建設)が日本へ戻ったあと、団体戦メンバーの組み替えを行なった。
トップに清水礼留飛(雪印メグミルク)、2番手に作山憲斗(北野建設)、そして渡瀬雄太(雪印メグミルク)、アンカーにエースで大将の葛西紀明(土屋ホーム)とした。
風をきれいに受けて飛ばしていけば表彰台の可能性もある。今季はチームに総合力があるジャパンだった。
もちろんアンカーのポジションはレジェンド葛西。何よりもそうでなければならないという大観衆に、その願いと雰囲気があった。
この団体戦独特な駆け引きにスリリングな順位変動、おおいに盛り上がる会場。
ロングジャンプが観られるたびに明朗闊達なプラニツァ音頭が、あたりに鳴り響き続けた。
そのたびに拍手と称賛の嵐が巻き起こる。
これぞ、たのしきジャンプ大会。
優勝は、王道をゆくオーストリア(クラフト・コフラー・ディートハルト・シュリレンツナウナー)、2位に勢いあるポーランド(コット・ジラ・ムランカ・トッフル)、惜しい3位のノルウェー(スティアネン・ヒルデ・ファンネメル・バーダル)、4位はドイツ、5位に地元スロベニアだった。
日本チーム(1.清水礼留飛 2.作山憲斗 3.渡瀬雄太 4.葛西紀明)
1本目133.0m、122.5m、115.5m、139.0m 496.6(7)
2本目128.0m、120.0m、122.0m、123.5m 446.5(6)
Total 943.1点 第6位
文・写真/岩瀬孝文
Photo & Text: Yoshifumi Iwase
まだコメントがありません
〒060-0809
北海道札幌市北区北9条西3丁目7番地 土屋ホーム札幌北9条ビル
土屋ホームスキー部 宛て
宛名は、選手名でお願いいたします。
コメントを残す