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土屋ホームスキー部【TEAM TSUCHIYA】

2015年02月22日

Iwase Report - ノルディックスキー世界選手権 男子ノーマルヒル・女子メダルセレモニー

スキージャーナリストの岩瀬氏から世界選手権の現地レポート2です。

 

IWASEレポート その2 写真/文 岩瀬孝文

『風、吹かず、憤慨もせず』
 

005FALUN2015iwase1
 

コーチボックスのフラッグがゆっくりと振りおろされた。

ああ、やはり。

風が逆風であるとき、不利なときに“けれども頑張って飛んでくれ”というコーチの合図がそれだった。

撮影位置からも、横川コーチがゆっくりと、それでいて手首に力の入った旗の軌道が、その緩やかな振りおろしが見て取れた。

 

感じるまま、この風はありえなかった。

なぜ葛西紀明のときに、この風でスタートのグリーンボタンが押されるのが不思議でならなかった。なぜ、待たせない、どうしてここで出す!

コーチの無念さが十二分に伝わってきた。

 

葛西は「くそ~」と思いながらもサッツを切る。

「ああ、やっぱりか」

空中でいくらかの修正を試みるが、いかんせん、風はうしろから。

前日の公式練習で90m超えをバンバン見せていたのが、86.5mでぼたりと落とされる。

ゆうに1本目で終しまいであった。

 

084NH葛西FALUN2015iwase

 

彼がいうところの風が…。ではあるが、これこそ本人言わずとしても、なんだよこの風は、である。写真を撮っていて久しぶりに憤りを感じた。

 

実はスタート前にハウスで止められ、いきなりスーツチェックが行なわれていた。

それもメダル候補の葛西紀明を狙うかのように?

おおいに集中しているところに、なぜ?である。ここで、いきなり、なんで?

なにか、おかしな意図が動いているのだろうか。

そういえばレジェンドの敬意がまったくスウェーデンではみられない。というのも、ここにはジャンプと複合の選手がいない。得意とするクロスカントリースキーさえ強ければいいという歴史的な背景がある国だ。

 

ノーマルヒルの優勝はノルウェーの伏兵ベルタ!?

会場はオスロから400kmの距離、観客席はそのノルウェーの大応援団に占拠されて、スウェーデンから受けていた昔の畏敬を振り払うような暴れ具合、したい放題である。

 

ていねいにシューズのひもを外し、淡々とスキーをたたむ。そして、あまり多くを語らずに、無念さを少しだけにじませながら、葛西は、静かに、シャンツェを去った。

そこに笑顔なんかはいらない。次だ、次である。ラージヒルこそ!!

 

504表彰国旗FALUN2015iwase

 

夜の21時過ぎから始まったメダルセレモニーでは、にこやかな表情で伊藤有希が登場、銀メダルと副賞の赤馬をもらった。

晴れやかに堂々としていた。そうだ、世界選手権2回目の表彰台か、だからもう、落ち着いた物腰なわけだ。

 

459伊藤FALUN2015iwase

 

519伊藤銀メダルFALUN2015iwase

 

では、有希、もうひとつのメダルをもらおうか、ミックス団体で。

コメント一覧

  • ゆん
    2015年2月23日 10:05 PM

    男子ノーマルヒル
    ううーん、なんとも悔しい…
    こうしてレポ読ませて頂いて、本当に地団駄踏みたくなるくらいです( `ー´)ノ
    でも、葛西監督はいつもこうして苦境、逆境乗り越えて来たんでしょうね。
    しかし、ほんと、悔しいです。

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