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土屋ホームスキー部【TEAM TSUCHIYA】

2011年03月10日

世界選手権ジャンプ個人LH&団体LH

ノルディック世界選手権・岩瀬孝文氏のレポートも今回で最終回となりました。3日開催のジャンプ個人LHと5日開催の団体戦LHの様子をお届けまします。

写真撮影:岩瀬孝文

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伝統のホルメンコーレンが新しく作り変えて、大きく壮大なものになった。
それは観客が小さく見えるほどワイドに広がった。それも左右の高い壁には風よけのスクリーンシートが張り巡らされている。
「ここでビッグジャンプをみせてやる」
葛西選手はにこやかな表情ながらも心の中で熱くなっていた。

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ここまでノーマルヒルで追い風にしてやられていた鬱憤をラージヒルで晴らす。
それだった。
並々ならぬ決意を胸にスタートハウスへと向かう。

 

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しかし、いい風がきてくれない。
個人戦はいつものイエロースーツで、最終種目のラージヒル団体戦は、特別注文のレッド&ホワイトスーツでアタックした。
「なんで、追い風なんだよ、もう!」
個人戦の2本目ではついにその怒りが爆発した。
外したスキーを揃えるときに「ドン」と雪面に落としつけたのである。
それは頂点に達ていた。テレビに向かって言うでもなくストレートに表現された。

 

 

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葛西選手はホルメンコーレンで有名であった。
地元紙に「長年ジャンプを続けている貢献者」として紹介され、そのことを知るノルウェーの観客の皆さんが1本飛ぶごとに讃えていたのだった。
オーストリア国営放送(ORF)のテレビ解説者で来ていた元名選手アンドレアス・ゴルドベルガーと熾烈な優勝争いが、かつてこの地であったことを記憶しているノルウェーファンもたくさんいた。それゆえの葛西選手への拍手と大きな声援であった。

 

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「もっといいジャンプができるのに、ここは風がおかしい‥‥」
LH団体戦はトライアルジャンプが強風でキャンセルになり、試合も荒れた風で1本勝負になった。それはホルメンコーレンであるからしょうがないのだが、それにしてもこの台はあらゆる方向から風が吹きつける。
濃霧のあとに快晴になるのはいいが、おまけにいらない風までがついてくる。

スタート台へと上がるエレベーターの少し下にチームカフェがある。
葛西選手は後輩の3選手を連れて、試合後にスープを飲みながら、ジャンプについての話が始まる。後進の選手たちはそれを耳に自分の糧にとしていた。
風が良くないとイライラした自分をクールダウンさせながら、若い選手たちと会話して指導するシーンを(チラリと見かけただけだったが)彼の人間的な優しさと素晴らしさを垣間見た気がした。

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また、葛西選手は新しいホルメンコーレンでリベンジしなければならない。
「このジャンプ台をやっつけてやる!」
表情は静かながらも熱情にあふれる世界のカサイだった。

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