
岩瀬氏のレポート「伊藤選手ワールドカップ2013-14最終戦」を掲載します。
	3月22日W杯最終戦2位表彰台!
	「次へつながる個人総合3位」
	 
	そろそろ優勝してご覧なさい。
	スキー部の葛西紀明監督から、ラインでメッセージが入った。
	「あ、頑張らないと…」
	 
	その日、早朝からものすごく集中していた伊藤有希だった。
	女子の各チームが一緒に入るリフト横にある控所から、おもむろに飛び出し、あたりをランニングに出る。
	そして、入念なアップに、3本の気迫のこもったシュミレーションジャンプ。
	狙っていた、狙い始めていた表彰台中央!
	 
	
	「食事もかかっていましたし(笑)」
	というのも、葛西監督とは個人総合順位で一番でも上に行った方が、ご飯をご馳走するという約束ができていたからだ。
	 
	前日はイタリアの選手が転倒したために1本のみの公式トレーニングとなったが、少しも慌てず騒がずのスタンスで過ごした伊藤だ。
	迎えた女子第19戦(今季最終戦)、晴天の1本目、トップ3に入るくらいのアプローチスピードでサッツを切り、128.5mの2位につける。エース高梨沙羅は135mで最長不倒を記録して首位だ。
	「ベストのジャンプを見せたくて」
	と願った2本目、ぐいぐい伸びて125mにまとめた。
	地元の強豪マヤ・ヴィテッチ(スロベニア)や全米を制したジェシカ・ジェローム(アメリカ)の追い上げと、気になる存在のイリーナ・アバクモワ(ロシア)の姿あったが、そこは伊藤、安定したジャンプで魅せてくれた。
	 
	「昨日のトレーニングはやや失敗だったんです。今日は集中して納得できるジャンプができました」
	静かながら少しだけ微笑みがのぞく。
	 
	「個人総合3位になれました。次への目標もわかっています」
	優勝は132.5mと他を圧倒した高梨。有希は、惜しい第2位だった。
	そして、さらなるターゲットをしっかりと見据えた。
	 
	今季、有終の美となった表彰台。
	次こそ次なれば、センターフィールドへ。試合後、彼女はすぐに、その意気込みにあふれていた。
	 
	 
	伊藤有希(土屋ホーム) W杯第19戦プラニツァ大会(スロベニア)
	1本目128.5m ウインド8.3  125.6(2)
	2本目125.0m ウインド6.8  119.3(4)  Total 244.9  第2位
	2013/2014W杯個人総合759点  第3位
	文・写真/岩瀬孝文
	Photo & Text: Yoshifumi Iwase
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